奇跡のリンゴ
腐らないリンゴって知っていますか?
それは奇跡のリンゴと呼ばれています。そのリンゴは切ったまま二年置いておいても、甘い香りを放ったまま、腐らずにしぼんでドライフルーツのようになるだけ。食べると今までのリンゴと同じとは思えないほど美味しいらしいです。
リンゴ好きだから食べてみたいな。超入手困難らしいですけど。
そんな奇跡のリンゴを実らすまでの壮絶なストーリーを書いた本が『奇跡のリンゴ』です。
最近、ちょっと話題に乗っかって読んでみました。
- 作者: 石川拓治,NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」制作班
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2008/07
- メディア: 単行本
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奇跡のリンゴは品種改良された特別なものではありません。同じ一般的な種類のリンゴです。でも、無農薬で栽培すると奇跡のリンゴになるんです。
品種改良された現在リンゴは凄く弱く、農薬なしではすぐに枯れてしまいます。だから、農薬をたっぷりまいて育てます。農薬を使って周りの環境を締め付けて育てると、菌や害虫が発生しないので、誰でも手間をかけずに、大量に良い形でそれなりのリンゴを作る事が出来ます。しかし、生命力を失い、リンゴの持つ本来の味を失ってしまうのです。
無農薬のリンゴの樹は根が何倍も強く深く張っていて、樹と実の軸もしっかりしているので、台風が来てもとても軽い被害で済んだそうです。そして、リンゴ畑には雑草が生い茂り、蛙や様々な虫が住んでいて、難しいけれど手間と愛情を注いで育てます。リンゴの実はそれほど大きくなく、形も少し歪んでいて小さな傷があるのですが、涙を零すほど美味しいらしいです。
この事を知った時、僕達人間とリンゴは似ているのではないかと思いました。人間も農薬を使って育てられ、人間本来の『味』を失っているのかもしれません。子供の時は『味』持っていたのに、大人になる過程で、誰でも手間をかけずに使える農薬をいっぱい浴びて、良い形でそれなりの人間になり、本来の生命力や『味』を失ってしまうと。
皆さんは人間に農薬がかけられているとしたら、その農薬は何だと思いますか?
僕は『常識』だと思います。
でも、人間から農薬を取ったら、多くはリンゴのように枯れてしまうのかもしれません・・・